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オリジナルBL小説。ちょっぴり切ない心情を書き上げれたらよいなと構想練り中。性描写を含む展開となったりしますので18歳未満の方、又、苦手な方は、ご遠慮下さいね。 

最果てのキス (28)
2017-04-22 Sat 12:52
 最果て28 450
「……うん」
『かわりはない? 』
「うん」
『本当? 』
「うん」
『華織』
「うん」
『聞いてる?』
「うん」
『荷物まとめたらチケット取ってすぐ日本に行くよ』
「うん」
『華織? 』
「ん? 」
『さっきから「うん」しか言ってないよ? 』
「……うん」

久々に暁との会話だというのに僕の返事は「うん」の一辺倒だった。どうやら流石の暁も「うん」では物足りないらしい。
暁が帰ってくる。やっとだ。月日が経つにつれ電話もメールもどんどん減った。連絡しても「忙しい」と「ごめんね」のオンパレードな返信に、このままフェードアウトに持ち込まれるのかとどこか思っていた。

『連絡出来なかったこと怒ってる? 』
「そんなんじゃ……」
『じゃぁ、淋しい? 』
「当たり前のこと聞かないでくれる 」
『ははっ、ごめん、ごめん』
「何で!? 」

イラついた気持ちが思わず親指で通話終了の文字を触れさせた。

「あっ!ちょっ……あ―も―っ!!」

何やってんの!?自分で自分に悪態をついて狭いベッドの上で大の字になった。
「だって笑うから」「何で笑うの」電話を切った言い訳をぶつぶつ呟きながら表示画面を睨みつける。ろくな返事もしていないくせにいきなり回線を切断したことに暁はきっとあきれてる。いや、怒っているかもしれない。
信じていないわけじゃない。ただ、暁はココにいない。今の世の中メール一本で別れることも簡単だ。明日になれば、「ごめん、やっぱり日本には行けない」そんな言葉が送られてくるかもしれない。
怖い。一日一日離れていくたびにもう二度と会えないような不安に襲われる。
ブーンと携帯が震えると、画面に「暁」の文字が表示される。いつまでも眺めていたかった。応答にそっと触れて耳にあてるとすぐ暁の声がする。

『華織?ごめんね』
「……違う」
『あー……お腹すいてる? 』
「それ、ケンカ振ってんの? 」
『まさか』

言われて気づくが確かにお腹がすいていた。なるほどと納得もするがそれとこれは別だ。
楽しそうにしている暁にどうしても素直になれなくて、そんな自分に嫌気が差した。これ以上話しを続けてしまうとろくなことにならない。

「……いい。時間決まったら連絡して。迎えに行くから」
『華織』
「なに? 」

相変わらず機嫌が悪くなるとつっけんどんな物言いになってしまう。だから余計に暁は楽しいのかもしれない。不機嫌な自分を暁はいつも楽しそうにあやしてくる。それがいっそうイラつかせるって分かってるくせにやってくるからたちが悪い。

『好きだよ』

……ずるい。これはずるい――ストンと、耳元に落ちてきた言葉にあっけなく心が揺さぶられた。

『聞こえた? 』
「……もういっかい」
『好きだよ、華織』
「……うん」
『やっぱり「うん」だけ? 』
「うん」
『そっか……』

沈んだ声音の返答にしょんぼりとした暁の姿が目に浮かんだ。

「返事!……会ったとき直接言う。だから……だからさ……聞きたかったら早く帰っ、て……きて……」

語尾がかすれた。言ったそばから後悔している。電話越しに暁はきっと困ってる。
早く帰ってきて。それは自分の中で禁じワードにしていた。、どんな言葉を使っても、どんなに暁を思っても、離れた距離はそれで埋まりはしない。仕方のないことだと何度も言い聞かせて僕は暁を待つしかないのだ。

『……すぐだよ。すぐだ。帰ったらちゃんと返事聞かせてね。約束だよ』
「うん」
『うん』

またね。って暁は電話を切った。手の中にある熱が彼と繋がった唯一の証拠。頼りない残影に頬を寄せると温かい。
14時間の刻を越えて届く暁の声は相変わらず優しくて、心地よくて、簡単に僕を幸せにする。魔法のように一瞬と。
約束事が又一つ増えた。

「帰ってくるって」

待ってて――会いたくて、触れてほしい。キスして、抱きしめてほしい。伝えたい言葉ならいくらでもあるから。
もうすぐ3月も終る。いつもより遅い桜前線と共に暁が帰って来るのだった。

*´

「ねぇ、マジで僕と付き合わない?」

甘ったるくまとわり着くような声音で自分の上でイッたばかりの男に持ちかけた。
あっけなく下肢から男のモノが抜けていくと、うるさいといわんばかりに背を向けて起き上がっていった。余韻に浸って抱きつくひまもない。
男はベットの上でタバコに火をつける。行為が終れば用は無し。いつもの事だけど最近はそれが気に入っている。どうやら自分は追いかけるほうが燃えるたちらしい。新しい発見に自分でもワクワクしているのが分かる。

「ねぇ……」

肩越しにユラリと立ちのぼる紫煙を眺め、男の背中にもたれかかり汗臭い素肌の匂いを嗅いだ。「女」とは違う固くて重たい「男」の熱を帯びた体が好きだった。

ふと男が何かを呟いた。「何?」と問いかけても返事は無い。あまりに小さくぼやいた男の言葉は結局何か分からない――まぁ、いい。「……僕ん中、あんたでいっぱいだよ。ほら」

初めは超最悪な男だった。男の抱き方を知らないで自分を無理やりベッドに押し倒したのだ。あらかじめSEX込みのデートコースだったとはいえ、あれはない。ヘタすれば恥を忍んで肛門科に通うはめになるところだった。
ノンケがただ単に興味本位で「男」を抱いてみたいのかと思った。だけど男とのデートはこれで5回目になる。興味本位なら同じ男を指名して5回も会いはしないだろう。
かといって男はのめり込んでくるわけでもなかった。むしろどこかゲイを否定しているようにも感じた。男は冷めた眼差しに時折殺気を交えて何度も自分を突き上げる。
――ゾクリとした。
おもしろい。きっとこの男を落としてみせる。

恥ずかしげも無く下肢を開いて男のタバコを持っていないほうの手を導く。足の間は今しがたのローションと自分と男の精液がぐちょぐちょに混じりあい湿度が増して最高に気持ちがいい。
めんどくさそうにしてるくせに、男の股間も半立ちしたままだ。チラリと向けられた男の視線を逃がさないように、めいいっぱい挑戦的に微笑んだ。

「 ね、もっかいイれてよ、ケイ――」

To be continued

こんにちは&はじめまして。湊水貴です。この度はご来訪ありがとうございます(*´ー`;A゛
イラストは華織さん。
思っていたより薄く塗りあがるイラストをなんとかしたくもがいてみたけど、かわらない……。
文章もさることながら色塗りも試行錯誤中。課題はもりもりっ!
これからも気長に温かくお付き合い下されば幸いです。(=人=。)
いつのまにかのポチと拍手ありがとうございます(__)゛深々謝々多々嬉々☆☆☆ミ

湊水貴
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